アナタの住みたい世界(独身論)②「みんな最初は独身だった」

~前回までのあらすじ~
未熟で未発達で未成熟で未来がない「独身」は、早く「既婚」になりやがれよ! という結婚至上主義者(ヨシカさん)の暴論に対し、「うるせー勝手に生きるわ!」と逆ギレしたところまで。

それはさておき、独身生活インストラクターの最上級国際資格を持つこのワタクシをもってしても、まったく解せない事象があり、グッと考え込まざるを得なかった。独身論と銘打ったからには、何らかの組織から抹殺指令が出るかもしれないという恐怖を超えて、筆禍を恐れずに書いてしまう。書くよ、いいね?

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「老後はさあ、みんなで同じマンションに住んで一緒に暮らそうね~」「イケメンの若い執事とか雇ってさあ~」などと云っていた友人同士の女性独身者五人のうち、この十年で三人が結婚している件について(いや、おめでとうだよ? ホントに心から思ってるからね。でもちなみにだけど、同席していたワタクシはその発言を聞いた瞬間、「絶対そんなわけないじゃん!」と思っていたからね)。
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うわあああ(恐慌)。ちょっと待て、まずは自分が落ち着け。単なる飲み屋での話、独女のネタだったんだよ。そういうの、あるある。でもそうだとしても、正直、違和感は拭えないのであり、ワタクシは考えた結果、「独身」にはどうやら二種類いるのではないか、という仮説を立てるに至った。

1)本当は結婚したい独身
2)本当に結婚したくない独身

性別関係ないですね、これ。ひと口に「独身」といっても、いろいろいると。そりゃそうだ。

時系列を追って、進化の過程を追ってみよう。

↓みんな最初は独身↓
↓→1)本当は結婚したい独身   →結婚
↓→2)本当に結婚したくない独身 →独身

1)本当は結婚したい独身の人にとって、宙ぶらりんな「独身状態」はさぞかし……ツラかったねぇ、その期間。無理な独身ネタに付き合わせちゃって申し訳なかった、と何か謝りたくなるもんねえ。そして実は1)の人々は、価値観的には結婚至上主義者のヨシカさん予備軍なのである。未熟で未発達で未成熟で未来がない「独身」からの卒業を目指す、という意味で。

映画やマンガや小説で、世に展開される独身系(?)のさまざまなドラマは、1)本当は結婚したい独身、が主人公であることが多い。その方がわかりやすいし、じゃなきゃストーリーが進まないからね。例外的にここの構造をひねって「2)本当に結婚したくない独身が、最終回近くで、1)本当は結婚したい独身に変体(改心)する」というパターンもある。設定重視のマンガで多そう。そしてもちろん、ハッピーエンドとバッドエンドがある。

1)の皆さんにワタクシから伝えられることはほとんどないのが残念だ(だって結婚してないから)。でも心もとない知識を総動員して一言云わせていただくとするなら「もう『結婚したい旨』を大々的に周囲に宣言・PRし、恥も外聞もなく、積極果敢に取り組め」ということぐらいか。

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▲参考図書:山口瞳著「結婚します」「結婚しません」


そしてもちろん今後語るべき問題は、2)本当に結婚したくない独身についてである。何が問題かって、いくらワタクシが「自分は2)なんですよー、ホントなんですよー」と云っても、まったく信じてもらえないか、ハナから相手にしてもらえないことなんである。

理由? 聞きます? 四十も半ばで無職でハゲ散らかしたおじさんがそんなこと云っても、せせら笑われるだけだからだよ! 「せめて大沢たかお級のルックスか、年収一千万円ぐらいの男だったらねえ、『えーそうなんですかあ』とか、話に乗っかれるけどねえ(嘲笑)」との由。

勝手に生きるのも、実に大変なんだ。

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