北海道の魅力を取材して原稿に。

 

醸造の不思議

北海道の老舗出版社・亜璃西(ありす)社さんから、私の初の書籍『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』が刊行になりました。

明治から大正、昭和にかけて、北海道にはたくさんの酒蔵が存在していました。
本書では道内各地の蔵元のビンテージラベルに着目。美しくもどこか懐かしいラベルの数々をたっぷり掲載するとともに、現役で酒造りに取り組む16の蔵の歩みも取り上げています。

亜璃西社さんからお声かけいただき、ほぼ1年がかりで一つのテーマにじっくり取り組む貴重な機会となりました。誠にありがとうございました。
北海道の酒づくりの歴史や道産酒米の誕生秘話といった記事も力を入れてまとめましたので、ぜひご一読いただければ幸いです。

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さて、本書の制作を進めるなかで思いを馳せていたのが、醸造というメカニズムの不思議さについてでした。

米を蒸して麹とまぶし、水を加えて発酵をうながすことで日本酒ができるわけですが、水や米といった素材や製法へのこだわり、積み上げられたノウハウから花開く味わいは多様にして深淵。気候風土やその年の作柄によっても微妙に変わってくるわけで、理屈ではわかっていても、やっぱり不思議ですよね。

我々はその「ひとしずく」をおいしくいただくだけではありますが、改めて生産者や醸造家の皆さんに対して、尊敬の念を覚えずにはいられませんでした。

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今回は日本酒がテーマでしたが、実は北海道では近年、クラフトビールやワインといった醸造酒から、ウイスキーやジン、焼酎などの蒸留酒まで、さまざまなジャンルの酒づくりがますます盛んになっています。深堀りすればするほど面白さに出くわすテーマで、これからもどんどん取材していきたいと思っていますので、各媒体の皆さまは、ぜひお気軽にお声かけいただければ幸いです。

素材にしっかり向き合って丁寧に醸された、腰がありながらも口当たりは軽やか、コクと余韻がふんわりと香る、そんな吟醸酒のような記事が書けたらいいな、と思っています。

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2024.4.24 ライター・編集 能登亨樹