●ヲタ切りのタイミング『中野腐女シスターズ』
『中野腐女シスターズ』は2006年結成のヲタク系アイドルユニット。2011年11月に音楽活動を停止しますが、同じメンバーによる男装ユニット『腐男塾』はその後も継続していきます。
※2010年4月までは『中野腐女子シスターズ』と名称に「子」が入っていた。さらに2011年7月には『中野風女シスターズ』と「腐」→「風」に改名するも、同年11月に活動停止。
※『腐男塾』も2011年7月に『風男塾』に改名。現在もメンバーを変えながら活動中。
そういえばスザンヌが所属している時期もありましたね、思い出した。2005年から2008年あたりまではグループアイドルが乱立した時期で、特にずば抜けた存在はおらず、云ってしまえばAKBも、ももクロも、アイドリング!!!も横一線だったと記憶しています。2008年ごろが潮目だったのかなあ。
アイドルファンとしての私は基本的には「在宅」で、ライブや握手会に足繁く通うタイプではないのですが、それでも『中野腐女シスターズ』のライブには何度か参戦しています。同時にサブカル好きでもあったので、堂々とヲタクを公言するコンセプトの『中野腐女シスターズ』が愉快で応援していたんですね。

▲発掘された2008年9月のライブのフライヤー
またこの時期はネット環境とモバイル端末の急激な発達と相まって、ブログやツイッターといったアイドル本人が発信できるツールが増えていくタイミングでもあり、プロモーションもガラリと変わっていきました。
●浦えりかちゃんのブログ『浦えりかの裏えりか』2015-06-02付より
17歳(2003年)から29歳(2015年)までの誕生日の模様をブログの抜粋で1年ずつ振り返っているんですが、これは記録としても超貴重。自撮りの解像度でガラケーから端末の性能が進化していく過程もたどれます。『風男塾』は30歳卒業のルールがあるので今年卒業なのかな。
私も参戦した2011年7月のライブで乾曜子ちゃんが卒業。同時に『中野腐女シスターズ』の活動停止と『腐男塾』への一本化、さらに「風」への改名が発表され、従来からのファンとしてはなんだか力が抜けてしまったのを覚えています。「うーん『腐男塾』もいいんだけど、これ一本になったら、つまり『男装した女性アイドルが好きなおじさん』ってことになり、ひいては『若くてイケメンのお兄ちゃんが好きなおじさん』という認知になって、結果『お兄ちゃんが好きなおじさん』という存在になるのでは? それはそれでよろしいけれども、いやいや当方、女性アイドルを愛でたいだけなんで……」
これは持論なんですが、グループアイドルは雌伏期を経て売れていく過程のどこかのタイミングで、それまでのファンを思い切ってぶった斬り、新規層の開拓という「脱皮」を果たさないと大きく飛翔できないのではないかと。これが「ヲタ切り」。こんな言葉があるかどうかはわかりませんが、『風男塾』への一本化はいかにも戦略的であり、このあと実際に女子高生などの若い女性ファンが増えて、支える層の質も変わっていったと思います。
また、宝塚の例を引くまでもなく、ジェンダー概念を顛倒させたり、かき混ぜてしまう手法も、今となってはすっかり一般化。コミケを見なさいよと。その点、私はやっぱり感覚が古くて、何らかのバイアスがかかっているんだろうなあと感じております。